ツーモーションとワンモーションってどう違うの?
スリーポイントシュートを打つときツーモーションとワンモーションどっちがいいんだろう…
この記事ではこのような疑問について解説します。
- ツーモーション・ワンモーションの違い
- ツーモーション・ワンモーションのメリット・デメリット
- ワンモーションでのシュートの打ち方
この記事を書く僕、なこすけはバスケ歴24年。
小、中学校時代はポイントガードで、高校時代はシューターでした。
中学3年までスリーポイントシュートが届きませんでしたが、練習していくうちにコツがつかめ、今では楽々届くようになりました。
公式戦で10本のスリーポイントシュートを決めたこともあります!
バスケットボールにおいて、シュートのフォームには大きく分けてツーモーションとワンモーションの2種類のフォームがあります。
かつてはツーモーションが主流で、NBAや実業団、高校バスケでもほとんどの選手がツーモーションでシュートを打っていました。
しかし最近は、特にスリーポイントシュートをワンモーションで打つ選手が増えており、ちょっとしたトレンドになっています。
そこで近頃増えてきている、スリーポイントシュートはツーモーションとワンモーションどっちで打つべきなのか?という疑問について解説します。
結論:スリーポイントはワンモーションで打つのがおすすめ
結論から言うと、スリーポイントシュートはワンモーションで打つのがおすすめです。
理由は、ワンモーションの方がスリーポイントシュートが入らない悩みの多くを解決できる可能性が高いから。
ワンモーションにすることで、解決できる悩みは主に以下の3つ。
- スリーポイントがリングまで届くようになる
- シュートが素早く打てるようになる
- 軽くシュートが打てるようになる
ワンモーションにするメリットについては、後ほど詳しく解説します。
最終的には自分が打ちやすい方を選択すればいいと思いますが、まずはそれぞれの違いを確認しましょう。
ツーモーション・ワンモーションの違い
ワンモーション・ツーモーションの違いやメリット・デメリットを詳しく説明します。
それぞれの特徴を知り、今の自分に必要なもの、足りないものを理解したうえで自分に合うフォームをセレクトしてください。
ツーモーション
ツーモーションは、まず1回目のモーションでボールを頭の上で止め、2回目のモーションでシュートを打つフォームです。
チャージシュートとも呼ばれ、ジャンプの最高点でシュートを打つことを目的としています。
バスケのシュートフォームはツーモーションを自然とイメージすることが多いくらい浸透しています。
- コービー・ブライアント
- レブロン・ジェームズ
- マイケル・ジョーダン
一昔前から活躍していた選手はほとんどがツーモーションですね!
ワンモーション
一方、ワンモーションは、ボールを保持した状態から途切れずにシュートを打つフォームです。
下から上に流れるような感覚でシュートを放つため、フローシュートとも呼ばれます。
タイミングを外してブロックされないようにすることを目的としたフォームになります。
- ステフィン・カリー
- クレイ・トンプソン
- ジェームズ・ハーデン
選手を見てもらえばわかりますが、ここ最近活躍しているシューターはワンモーションが多いです。
ツーモーション・ワンモーションのメリット・デメリット
それぞれのシュートフォームのメリット・デメリットを紹介しますが、基本的には表裏一体です。
片方のメリットは片方のデメリットになる、ということです。
一つずつ確認していきましょう!
ツーモーションのメリット・デメリット
- リズムがつかみやすい
- 安定しやすい
- 打点が高い
- シュート中に切替えしやすい
- 飛距離が出にくい
- 身体能力に依存する
- シュートを打ち切るのが遅くなる
〇ツーモーションのメリット①:リズムがつかみやすい
ツーモーションシュートはリズムがつかみやすく、打ちやすい傾向にあります。
特にミドルシュートをツーモーションのジャンプシュートで打っている人は、自然にツーモーションでスリーポイントシュートを打つことが多いと思います。
シュートを打つリズムが同じになるので、体の連動をイメージしやすく打ちやすくなります。
〇ツーモーションのメリット②:安定しやすい
一度頭の上でボールを固定するため、シュートが左右にブレにくく安定しやすいです。
肩から肘のラインがしっかりリングに向かってまっすぐであれば、ほぼほぼシュートはまっすぐ飛びます。
まっすぐシュートを打つために、調整すべきポイントが減るのもメリットと言えます。
〇ツーモーションのメリット③:打点が高い
ワンモーションよりも打点が高くなるのも大きなメリットです。
特に身長の高い選手やジャンプ力のある選手は、ブロックされにくくなるのでおススメ。
〇ツーモーションのメリット④:シュート中に切替えしやすい
シュートモーション中にシュートだけでなく別の選択をすることができるのもメリット。
ディフェンスにブロックに飛ばれたときにパスに逃げたり、フリーになっている味方を見つけたらパスを出せたりすることも可能です。
×ツーモーションのデメリット①:飛距離が出にくい
ツーモーションは、一度頭の位置でボールを保持することで、下からの勢いが活かしにくくなります。
「体の動き」「シュートポケットを作る」「シュートを打つタイミング」を上手く連動させないとシュートが飛びません。
そのため、ワンモーションと比べ飛距離が出にくいシュートフォームです。
×ツーモーションのデメリット②:身体能力に依存する
ツーモーションは身長が高い人、ジャンプ力が高い人におすすめな反面、低身長、ジャンプ力があまりない人には不向きなシュートフォームです。
打点が高くなるのがツーモーションのメリットですが、低身長だったりジャンプ力がないと、そのメリットが十分に活かせないのが理由。
また下からのボールを持ち上げる勢いのみならず、体の連動をフルに活かしてシュートを打つ必要があります。
体の連動がうまい=身体能力が高いともいえるので、身体能力が低いとシュートのは距離は伸ばしづらくなります。
×ツーモーションのデメリット③:シュートを打ち切るのが遅くなる
ワンモーションと比べ、シュートを打ち切るのが遅くなってしまいます。
下から持ち上げたボールを、一度頭の上で保持する時間が発生するのが理由。
前にディフェンスがしっかりと付いた状態でシュートを打つと、高確率でブロックされてしまいます。
ワンモーションのメリット・デメリット
・飛距離が出やすい
・クイックモーションで打ちやすい
・シュートを軽い力で打てる
・使い分けるには慣れが必要
・打点が低い
・シュートラインを保たないとシュートがブレやすい
〇ワンモーションのメリット①:飛距離が出やすい
ワンモーションは、ボールを持ち上げる下からの勢いをそのままシュートに乗せるため、飛距離が伸ばしやすいです。
また高い身体能力に左右されずにシュートの飛距離が出しやすいのも魅力。体の連動がスムーズに出来れば、さらに遠い位置からのシュートも狙えるようになります。
スリーポイントシュートがリングまで届かなくて悩んでる人は多いですが、そういう人には特にオススメのシュートフォームです。
スリーポイントラインよりも後ろから打ちたい人にもオススメ!
〇ワンモーションのメリット②:クイックモーションで打ちやすい
ツーモーションと比べ、クイックモーションにシュートを打つのに向いています。
ボールを頭の位置に保持する時間が丸々なくなるので、その分早速くシュートを打ち切ることができます。
虚を突いたり、タイミングを外してシュートを打てれば、ブロックされる確率が下がります。
〇ワンモーションのメリット③:シュートを軽い力で打てる
飛距離が出やすいことにも通じるものがありますが、軽い力でシュートを打つことができます。
ツーモーションと違って体の連動を目いっぱい使ってシュートを打つわけじゃないので、疲れにくくなります。
試合終盤の疲れた時間帯でも、安定してシュートを打つことができます。
×ワンモーションのデメリット①:使い分けるには慣れが必要
ツーモーションとリズムが違うため、普段ツーモーションでシュートを打っている人がワンモーションでシュートを打つのは、どうしても違和感が出ると思います。
そのため、ワンモーションに慣れるためには少し時間が必要になります。
この違和感を払しょくするには、自分のシュートフォームに落とし込めるまで反復練習するしかありません。
×ワンモーションのデメリット②:打点が低い
下からそのままボールを持ち上げてシュートを打つため、どうしても打点は低くなってしまいます。
タイミングを外せたら強いシュートフォームですが、逆に言えばタイミングを見極められたらブロックされやすいフォームです。
×ワンモーションのデメリット③:シュートラインを保たないとシュートがブレやすい
体の軸をしっかり保たないとシュートが大きくブレやすいです。
ツーモーションと違って下から持ってきている分、左右のブレの角度はどうしても大きくなってしまいます。
まっすぐシュートを打つためには、しっかりとシュートラインを整えてシュートを打つ必要があります。
シュートを打つ位置で使い分けできれば最強
ゴール下、ミドルシュートはツーモーション、スリーポイントシュートを打つならワンモーションと使い分けるのがオススメです。この使い分けができれば、双方のシュートのメリットを最大に生かしたシュートを打つことができます。
ツーモーションの特徴として、ジャンプの最高地点で打つことを目的としたフォームだと解説しました。
要するに、ツーモーションはジャンプシュートで打つことを前提としたフォームになります。
しかし、スリーポイントシュートをジャンプシュートで打つには難易度が高く、経験者でも打てる人は稀です。
多くの人がスリーポイントシュートを打つ時には、頭の上にボールを構えてからジャンプしつつ打つというフォームがほとんどです。
そうなると、ツーモーションの「ジャンプの最高地点で打つ」という最大のメリットが損なわれてしまいます。
なので、スリーポイントシュートを打つ時には、ワンモーションを取り入れるのがベストです。
特にシュートの飛距離が出なくて悩んでいる人はぜひワンモーションを取り入れてみましょう。
ワンモーションでスリーポイントシュートを打つポイント4つ
ワンモーションでスリーポイントシュートを取り入れる際に、意識するポイントを4つ紹介します。
- 下からの流れを止めない
- 体の連動がバラバラにならないようにする
- 体の軸をまっすぐ保つようにする
- ゴールリングへのパスをイメージする
下からの流れを止めない
ワンモーションのメリットは、ボールをディップしたあとの勢いをそのままシュートに結び付けられること。途中でその勢いを止めてしまうと、ワンモーションシュートにならずメリットを失ってしまいます。
ディップの勢いを失わないよう、流れるようにシュートを打ち切りましょう。
ディップについての詳しい解説はこちらの記事を見てください。
≫ディップがシュートを打つのに重要な理由
体の連動がバラバラにならないようにする
シュートを打つときのモーションと全身の体の動きを連動させるようにしましょう。
ツーモーションでのシュートとは明確にリズムが違うので、初めは体の連動がバラバラになりがちです。
ワンモーションでシュートを打つ時は、以下の体の使い方を意識しましょう。
- 膝を曲げるタイミングで、ディップする。
- 下げたボールを持ち上げるときに、タイミングよくジャンプする。
- ボールをそのまま持ち上げた流れで、腕を伸ばしてスナップをかけ、シュートを打ち切る。
ジャンプの最高点でシュートを打ち終わるようなイメージ。
ワンモーションは基本的には両足ジャンプするときの体の連動とほぼ同じになります。
ワンモーションで体を連動させながらシュートが打てるようになる練習方法はこちらの記事をチェックしましょう。
≫ワンモーションでシュートを打つタイミングをつかむ練習方法
体の軸をまっすぐ保つようにする
ワンモーションのデメリットでも言いましたが、体の軸がブレているとツーモーションで打つ時よりもワンモーションでシュートを打った時の方が、シュートのブレが大きくなってしまいます。
そこで重要になってくるのが、体幹とシュートラインの意識です。
ボールが下から一本の線を通って、真っすぐリングまで向かうラインを意識しながらシュートが打てると、自然にまっすぐボールが飛ぶようになります。
シュートラインについての解説はこちらから。
≫シュート成功率を高めるシュートラインの考え方
ゴールリングへのパスをイメージする
体の連動をイメージしてシュートを打とうとしても、ツーモーションのときのリズムが頭に残っているせいで、なかなかうまく打てない人もいると思います。
そのような人は意識をガラッと変えて、「シュートを打つ」ではなく、「リングにパスをする」というイメージに変えましょう。リングへのパスのイメージで打つと、自然とワンモーションに近いリズムでシュートを打つことができるはずです。
しかしこのままだと、下にボールを持った位置から斜め上にまっすぐシュートを打つことになるので、シュートが安定しません。
このリズムをもとに、少しずつボールが体に添うシュートの形を作っていけば、ワンモーションでのシュートを会得できます。
1.5モーションにする
使い分けが難しいと感じる人は、頭の上で構える時間を短くするのも有効です。
いつものツーモーションでシュートを打つ時の、頭の位置にボールがある時間を少なくしてみて下さい。通常通りツーモーションで打つよりも、ボールを持ち上げる勢いを減らさずに打つことができます。
そうすると、シュートがいつもよりも飛ぶようになります。ツーモーションに少しずつワンモーションの要素を取り入れる感じです。
名づけるなら1.5モーションといったところ。
注意する点として、ボールが頭の位置に保持する時間を大きく減らすとリズムが変わり、シュートを打つタイミングに違和感が出てしまいます。
違和感があまり出ないくらいに調整しながら、頭にボールを構える時間を減らしていきましょう。
ワンモーションを取り入れるとミドルシュートの感覚が変わる?
スリーポイントシュートをワンモーションに変えるとミドルシュートが入らなくなりそう…
ミドルシュートやゴール下はツーモーション、スリーポイントシュートをワンモーションで使い分けて打つ時に懸念されること。
それはシュートフォームを使い分けたら、今打てているミドルシュートが決まらなくなる可能性があるのでは?ということです。
結論から言えば、可能性はあります。ワンモーションでスリーポイントシュートを打つことは、今打っているツーモーションとはリズムが全く異なるのですから、影響はないとは言い切れません。
リリースのタイミングや、体の連動の仕方が違うので、ツーモーションでのミドルシュートの感覚が変わることが考えられます。
しかしその違和感は、シュートを繰り返し打ちこむことで払しょくできる可能性は高いです。
現に「ワンモーションシュートはリングにパスをするイメージで打つ」と解説したと思いますが、パス練習することでシュートの感覚が狂うか?といったら答えはノーですよね。
極端な例ですが、それぞれのシュートフォームにも同じことが言えると思います。
最初は違和感があっても、練習を重ねれば「別々のスキル」として身に付けることができると考えられます。
不安に思う気持ちもわかりますが、スリーが届かない、シュートの飛距離を伸ばしたいならワンモーションを取り入れることを前向きに考えましょう。
まとめ:スリーポイントシュートが届かない人は、ワンモーションを取り入れよう!
基本的にはスリーポイントシュートは、ワンモーションで打つのがおすすめです。
しかし、ツーモーション、ワンモーションそれぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、どちらのフォームを取り入れるかを決めましょう。
それぞれのシュートフォームのメリット・デメリットは以下の通り。
・リズムがつかみやすい
・安定しやすい
・打点が高い
・シュート中に切替えしやすい
・飛距離が出にくい
・身体能力に依存する
・シュートを打ち切るのが遅くなる
・飛距離が出やすい
・クイックモーションで打ちやすい
・シュートを軽い力で打てる
・使い分けるには慣れが必要
・打点が低い
・シュートラインを保たないとシュートがブレやすい
それぞれの強みを生かすなら、スリーポイントはワンモーション、ゴール下やミドルシュートならツーモーションとシチュエーションで使い分けられれば最強です。
初めはシュートを打つ時に、ボールが頭の位置にある時間を少し減らすとボールにパワーが伝わりやすく、かつシュートのリズムも崩れにくくなります。
スリーポイントが届かない人はぜひ参考にしてください。
ツーモーション・ワンモーションの特徴を理解して、それぞれのいいところを取り入れよう!
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